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襟交換

トレンチコートやツイルシャツは生地が固いため擦り切れや穴あきはよく起こります。

通常この様な場合、ミシン刺しや裏襟と表襟を交換する方法が一般的ではありますが、今回のシャツは裏側にネル生地を使っているので表裏の交換は不可能でした。

またミシン刺しをするにも擦り切れが大き過ぎ、加工をしてもすぐ駄目になると予想するので、台襟から全て交換する事になりました。

台襟と上襟を外した状態です。

ここから型紙を製図し襟の製作に入ります。

生地はお客様が用意して下さった物を使います。

勿論、存分に生地がある訳ではないので間違えたら終わりです。ここは慎重に裁断していきます。

首元に当たる台襟の内側にはネル生地を使用しゴワつきを軽減します。

ボタンを付けホールを開けたら完成です。

また暫く気分良く着られると思います。

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度々登場します

トレンチコートではよくあります。

襟が擦れてボロボロになってしまいました。

この場合、裏側の襟と交換します。

裏襟には似た生地を使用し再生します。

外出先で脱ぐ事の多いコートの襟は一番目につく所なので、気になる方は一度直し屋に相談されると良いと思います。

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ウールベスト

暑い日が続きますがお洒落さんはそろそろ秋冬支度みたいです。

こちらの生地。80センチでこの値段。イタリー製ですね。最近の既製服ではなかなかお目にかかれないウール100%生地をお持ち込み下さいました。

スラッと姿勢の良い見本の様な体型の方なので一安心ですが、この値段の生地ですから鋏を入れる時は少し緊張しました。

この後ボタンを付けて完成となります。

オーダーでしたら肩傾斜や首の浮など調整してパターンを引くので問題ありませんが、既製服や古着を買った場合によくみられる変な浮は取ることが出来ます。

その場合はちゃんとタグを付け直すので安心して下さい。

こちらの方は首根っこを捕まれた猫の様な浮が出来ていたので修正をし完了です。

一足早いお洒落男子の皆様、有難うございました。

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家庭用ミシン

家庭用ミシンには色々な機能が付いており一台あれば何でも出来ます。優れものです。

こちら、ジャノメの家庭用です。

直線とジグザグとカンヌキが出来ます。

機能はその3種類ですが、物を作るにはこれだけあれば十分です。

真っ直ぐ縫えて、縁がかがれる。服を作ったのならボタンホールも出来る。小物作りにならちょっとした飾りで閂も入れられる。

ミシンのサイズは小さく重さも特別重くありません。値段も高過ぎず安過ぎず…家庭用ミシンなら適正価格だと思います。

私はジグザグが必要で購入しましたが、仕事でもバッチリ使えました。

どれを選んだら良いか分からない場合など参考にしていただけたらと思います。

別段ジャノメに何も恩はありませんが性能良かったので…

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体育祭の衣装

学校により様々ですが体育祭のダンス衣装が派手になり手に負えない…という事があるようです。

このように種類ごとに生地が裁断され手渡されるらしいです。

この状態から洋裁経験がない方が衣装を作るなんて無理な話。無理ですよ無理。

でも大丈夫!

reform-parkでは1週間もあれば余裕のよっちゃん!他店で時間がなさ過ぎるからダメと断られても焦る必要ありません。

慌てずお持ち下さい。

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洋裁じゃない話

今日は先日行った演奏会の話。

ピアニストの清水和音先生は毎年3大ピアノコンチェルトを開催して下さっています。

1曲目はベートーヴェン。

クラシックを知らない人でも知っている名前でしょう。

曲目は《皇帝》

その名の通り壮大なイメージの曲で1曲40分くらいでしょうか。

演奏に引き込まれていくうちに息をするのを忘れ1楽章が終わりハッとしてしまう事もしばしば。

2曲目はチャイコフスキーのコンチェルト1番。

〇〇スキーや〇〇コフはロシアの作曲家だ。

この曲は作曲家名は知らずとも曲を聴けば分かる人が多いと思う。それほど有名で人気曲の一つである。

3曲目はラフマニノフ。

この人もロシア人。

私はこの3曲の中では一番好きな曲である。

真央ちゃんがオリンピックで滑った曲で、聴けばああああ〜となるはずのコンチェルト第2番。

しかしこの3曲を同時に披露するのは大変な話。洋裁に例えるなら100万円クラスのスーツを3着縫うくらい、マラソンに例えるなら42.195キロを往復する様なイメージであろうか。

そして現代音楽と違いこの有名な曲となれば音を外しただけで「あん?」と聴く聴衆がいる中でプレッシャーは半端ないと思う。

そして縁あって清水先生の服を直しているのがこの私。

因みに指揮者の三浦君人気も高いと聞いてはいたが確かに音楽業界の中で見た目はグッド!…ながら余りに良い席過ぎて指揮棒が見えなかったのが残念…やはり指揮者を見ながら聴く方が楽しいんだよなぁ〜演奏会は。

以上。洋裁じゃない話でした。

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擦り切れ直し

今回はスーツのスラックスによくある擦り切れ直しです。

「上着は何ともないから直したい」と当然の御意見。

こちら前明きファスナー部分です。

擦り切れ始めてかなり時間が経つのかガッツリいってます。

直し方は色々。

安価な物から記載。

①ミシン刺しでダダダダーッとほつれを縫い止めてしまう方法

②前明き部分を解体し直す方法

③かけはぎ方法

今回は②の解体する方法で進めました。

まず、ウエストベルトを外し前のステッチを外し擦り切れた部分を補修し中縫いし終えたらこの工程を遡って元に戻す。

文章にするとざっとこんな作業です。

これでもう少し穿けると思います。

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bagの修理

今回はカバンの修理です。

使用するうちに癖がつき、その場所が擦れたり穴が空いたりという現象です。

カバンの底、脇、持ち手下と数カ所に傷が出来ているので、一度全て解体しました。

今回の修理方法は当て布を使う方法を選択しました。

洋服同様、修理には幾つかの方法があります。

お客様のご要望をお聞きしたのち、こちらから修理方法を提案させていただき、納得の上での作業開始となります。

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続き

表見頃の肩幅と脇幅を詰めたので今度は裏地をカットしていきます。

裏地のカットは表地以上に知識が必要となり注意が必要です。

直しをする時、背中心を解く事が多いのですが、肩幅の裏地をカットする時にこの場所を開いたままにしておくと仕上がった時に重大ミスに繋がる可能性が出てくるのでしっかり閉じておきましょう。

直しの場合、表地の伸縮率を考え裏地をカットしていきます。

これで見頃の修正は終わりました。

次!!袖を弄ります。

袖丈、袖幅を直します。

この時、肩から袖丈つめをするだけなら袖山の形状は同じで良いのですが、今回は肩幅詰めと身幅詰めをしているので、まずアームホールの寸法を測らなくてはなりません。

この寸法を基本に袖を変更していきます。

袖幅、腕周り…狭くなると着心地が変わってしまいます。始めのピン打ちの時に体型に応じて詰められる寸法をチェックしておく事は必須です。

チャコのポイントを基準にカットしていきます。

細くなり短くなった袖です。

直しの場合とパターンで修正する場合では弄る場所が全く違います。直しでは如何に元のシルエットに近づけるかで仕上がりに差がでます。

向かって右側が修正前。

袖丈やウエストのくびれ、肩幅も広くとても着られる服ではありませんが、向かって左側に直しました。

以上、レディース9号サイズにサイズ調整いたしました。

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肩幅、袖丈、袖幅、ウエストつめの直し方

簡単に言えば、メンズジャケットをレディースジャケットに作り直すという作業。

まず袖を外しバラバラにします。

この時、袖山や袖下に印を付けておくと後々便利です。

ここ迄出来たら、必ず見頃から直しに入ります。袖を直してしまうとアウト✖️

袖は見頃の寸法が出て始めて作られるパーツです。袖からパターンをひくと言う事はありません。

まずバストからウエストにかけ脇線を狭くしていきます。この時ただ詰めるのではなくレディースぽいラインになる様に縫ってあげるといいですね。

元々入っていたステッチも運針に糸番手、当然糸色も再現します。

次に肩幅つめです。

今回は全体で6センチ。少し多いのでここでも注意が必要です。

この時必ず背幅の寸法を保たなければなりません。これを肩幅に合わせてざっくりいってしまうと取り返しの付かない事になります。

黄色の線はアウトです。こういう線を描くと見た目は綺麗なんですけどね〜アウトです。

次!切ったアームホールに伸び止めを貼ります。

この時、伸び止めは少し引っ張り気味にし内側から接着させていきます。AHはカーブなので内径と外径の差があるのでペタッと一気に貼ってしまうと綺麗に貼れません。

極々簡単に書きましたが、まだまだ続きます。

取り敢えずここ迄。